昨年4月に、震災復興支援、及び被災地の自然回復についての状況確認のため、 自然環境復元協会有志による現地調査を実施した。 ⇒ H240422気仙沼視察 私が参加した目的は、津波によって流された海岸林の跡地に震災瓦礫の集積が始まっており、 震災瓦礫が片づかないと海岸林の復旧に取りかかることができないという話が伝わってきた ため、震災瓦礫を活用した築堤を行い、海岸防災林を再生できないか確認するためであった。 震災瓦礫を撤去することなく、その場で活用できるならば、一挙両得と考えたからだ。 三陸筋の海岸・谷を埋めるという処理方法は避けるべきだが、かといって、他所に震災瓦礫 を運搬し処理するのも経済性・環境面で問題が大きいため、他所に持ち出すことなく、発生 したその場での活用法を探ることが必要と思ったからである。 瓦礫・廃棄物と考えると処理は困難となるか、生産生を持つ土壌として現地に還元できるなら ば話は別である。このため、震災瓦礫の土壌資源化を図ることができないかの確認を行った。 結果、震災廃棄物の土壌資源化は可能と判断し、築土(石)根系補強土による築堤を行い海岸 防災林、緑の防潮堤を造ろうという提案を、機会をとらえて発信してきた。 これは、コンクリートなど無機質震災瓦礫を石とみたて、石礫混じりの築堤を行い、津波に よる流木、倒壊家屋などの木材(有機物)は堆肥化させ土壌に混合し、あるいは、生のまま チップ化しマルチング材として用い、その上に樹木・草本類を生育させ、植物の根系の緊縛 力・杭効果により、築堤の浸食防止と補強を行うというものである。 同様の提案を横浜国大名誉教授宮脇氏が行い、環境省、野田首相が震災廃棄物を活用した防 潮堤を造るとの発言がなされたことより、方向性が定まったと思いきや、現地から津波被災 を免れ生き残った海岸林を伐採し、コンクリート製の防潮堤造りが始まっているとの情報が よせられたため、今一現地の状況の確認を行わなくてはならないと調査、確認に出かけた。 時間の関係で仙台平野の状況の確認はできなかったが、気仙沼~宮古に掛けての状況確認を 行うことができた。⇒ レポートH240422気仙沼視察 その結果、海岸部では次の状況が確認できた。 ・海岸部では 1.津波により浸食された海岸には自然回復が始まっている。 2.しかし、残された海岸林を伐採し、大型土嚢による仮設防潮堤が建設されている。 3.仮設防潮堤の位置が不適切と考えられ、陸域と海岸の移行帯が寸断されている。 津波により、自然海岸が取り戻されたといえ、この自然海岸を保全するよう防潮堤の 必要性、位置、構造などについての協議が早急に必要である。 一方で高台移転による復興を進めつつ、一方では今回の様な津波被災を防ぐという前提 での復旧が計画・実施されようとしている。 縦割り行政の弊害といえる事態が発生している。 高台移転が前提ならば、港湾施設など重要部の周辺のみの対策で足りるはずであり、全域 防潮堤とする必要性はない。 地域の復興という全体・総合的な観点・計画の中で、防潮堤の築造など部分を煮詰めるこ とが重要である。 ・震災瓦礫については 4.瓦礫の集積が進み、片づいて来ている。 5.その一方で、最終的な処理方法が定まっていない。 6.築土(石)根系補強による緑の防潮堤・海岸防災林(多目的防災林)の造成が望まれる。 今回は、以前木材堆肥化物を今後したコンクリート殻により法面補強を行い、ケヤキ を植栽した場所について、堀取り調査をおこなった。 法面が崩れないよう締め固めたたため隙間が潰され密実になっており、根系発達はす こぶる良好という状態ではないが、コンクリート瓦礫の間の隙間へ根系侵入している ことは確認できた。 先にも記したように、震災瓦礫は他所へ持ち出すのではなく、現地で活用することを大前 提とすべきである。現地で活用すべく、あらゆる知恵を絞ることが重要と考える。 東京都は廃棄物の海面埋立をやっていた。無機・有機を問わず分別することなく埋立を 行い、覆土し港湾施設・公園を作った。夢の島・お台場(13号埋め立て地)などである。 その港湾部が現在は、東京臨海副都心となり、大勢の人が訪れる場となっている。 このような前例を参考とするならば、震災で裸地になった一角をコンクリートなど無機 性の震災瓦礫で盛土し、木材など有機性廃棄物は堆肥化し、土砂と混合し土壌資源化 するならば、新たな街づくりが可能となる。 他所へ持ち出すことなく、緑の防潮堤、街づくりの基盤材など、瓦礫・廃棄物ちという イメージを払拭し、自ら処理・活用するための知恵を出すことが重要と考える。 ・津波により立ち枯れとなった樹木の処理 7.津波被災により枯死した樹木の伐採が始まっていた。 8.過剰な伐採と思われる箇所があった。 活用されて以内ならば、震災廃棄物の増大に繋がるとともに、斜面の場合、次第に樹木 の腐朽により根系緊縛力が失われ、表層崩壊を起こす可能性もある。 廃棄物処理、法面安定など総合的な観点から整理しつつ、進めて行く必要がある。 以上
津波被災地 1年後の状況確認調査 震災瓦礫処理・緑の防潮堤など
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