「ひまなか(中野裕司)」の感じ、考えたこと・・・・・・・・・。                                  ML・FBなどの投稿を掲載します。

本屋で見つけた2冊。
「土と内蔵」、「失われてゆく我々の内なる細菌」。
まだ、読むには至っていないが、近頃、腸内細菌、マイクロバイオームに関する書籍が目白押しであり、その最新刊だろう。

かねてから、私は次のことを言い続けてきた。

生物進化の道筋、及び堆肥作り・土作りなどの類推から、土壌は海から陸に上がった植物が、根系を通じて養水分を得るために、海を陸に持ち上げたもの。
よき土壌には有効土壌菌が多く病害菌は生存できず、十分に根を発達させた植物は健全に生長し、良き作物を作り出す。
土壌は、植物と土壌微生物・細菌の共進化の結果出来上がったものである。
元気、健康な植物は、健全な土壌と健康な根系発達にささえられており、その淵源は土壌微生物とその餌になる土壌有機物(堆肥・腐植)にある。

これに対して、移動することにより餌を得るという生存戦略を取った動物は、おなかの中に土壌を取り込んだ。
それが腸内細菌叢(腸内フロラ)であり、動物もまた腸内微生物と共進化したと言えるのだ。
そして、腸内微生物叢の良し悪しが健康を大きく左右し、堆肥作りと同様にお腹の中に種菌を保管する場所があるはずであり、それは盲腸・虫垂突起だろうとも述べた。
また、栄養吸収のみならず、体内への異物侵入の関所としての免疫系、取り入れた食物に対する好き嫌い、満腹感などに由来する感情・心もまた腸が根っ子、淵源なのだと言うことも述べてきた。

食の淵源を辿るならば、私達は土壌微生物、植物、腸内微生物を介在して、土と太陽、そして二酸化炭素を食べて生きている。
エネルギーとしての太陽と気体の二酸化炭素を脇に置き、固体という面では、私たちは「土食らい」とも言えるのだ。
地球そのもの、住まいする周辺の土地を食べ続けてきた、といっても良いだろう。
だから、先達は「悔い改め」は「喰い改め」から、身土不二、地産地消とも説いてきた。

地域、その土地に根ざして植物と土壌微生物が共進化し、動物及びその腸内微生物もまたその土地に根ざし共進化して来のだから、その土地のものを食すことが最も自然に順応した健康的な生活のあり方と言うこととなる訳だ。
今流行の栄養価、カロリーオンリーでは、片手落ちであり、不健康な状態を作りやすい食物となってしまうという訳だ。
ましてや遺伝子組み換え作物などは、微妙なところで不協和音が生じることとなりやすい物となることは想像できる。
今の科学では解明不能な閾値の問題なのかもしれないが、長期間の後に、因果関係の定かではない異常として浮上することも考えられる。
生物多様性保全では、安全であることが確かめられるまでは新たなものの導入は避けると言う「予防原則」が声高に叫ばれている。
しかし、不思議なことに、我が身に直接関わる食の問題に対しては予防原則が唱えられないというアンバランスな問題も発生している。
健康問題の発生可能性よりも、経済原則が優先のようだ。
云々。

キチッと身体と心を使いこなすため、心身の健康を保つためには「腹」が大切という考え方は、経験智の積み重ねである東洋医学、和法などの伝統医学の世界では常識である。
近年、心の震源は腸を主とする臓器にあり、免疫もまた腸管系が中心となっているなどが科学、医学の世界でも解明されつつあり、虫垂が腸内微生物の隠れ家、保管庫となっているなどの解明が進み、腸内細菌に光が当てられるようになってから、伝統医学の世界へと急速に接近してきた。

「土と内蔵」、私が説いてきた世界そのもののタイトルだ。
「失われてゆく・・・」は、化学肥料、農薬、殺虫剤・殺菌剤の多用、及び土壌有機物(堆肥)の不足により、痛めつけられ、固結し、土壌微生物が失われた土壌と類似の腸内微生物環境に関するものと思われる。
土壌環境の悪化により、また、レイチェル・カーソンの「沈黙の春」などのインパクトにより、化学肥料・農薬多用から有機栽培へと切り替わっていった。

さて、この2冊は、どのような新たな知見を示してくれるのだろう。
願わくば、「沈黙の春」のような社会環境を変えるようなインパクトのあるものであってほしい。
そのような書籍の出現を願っている。

画像に含まれている可能性があるもの:1人

・土と内臓
http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1524-5.html
・失われゆく我々の内なる細菌
https://www.msz.co.jp/book/detail/07910.html

2016年12月20日FB
https://www.facebook.com/himanaka/posts/1177028019013144

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