土壌は、植物が海を陸に持ち上げたもの。
植物と微生物・小動物の共生体だ。
全体で一つだ。
その海を皮の中に封じ込め、お腹の中に土壌を取り込んだのが動物。
養水分を体内に取り入れる仕組みは、植物も動物も同じ。
土壌微生物の力を借りている。
と、大きく俯瞰し説いてきた。
「土と内臓」は、このような観点について硬質な庭に有機物を与えつつけることで肥沃な土壌としたこと、そのことと体内の微生物との関わり、病との関係について記している。
「失われてゆく我々の内なる細菌」は、更に体内・腸内細菌叢に関して判明したこと、抗生物質などの使いすぎによる問題について記している。
良書である。
この数年で腸内細菌叢に関する知見が、このような書籍、マスコミを通じて世間に拡がった。
しかし、世間といっても広く、このようなことに興味を持つ人々の間に拡がったと言い直すべきだろう。
私たちの健康は、土壌微生物・腸内細菌叢との関わり、さらには、私たちの身体を構成する一つ一つの細胞が元気であることが土台となるのだということに関してまでの踏み込みは少ない。
微生物、細胞レベルにまで思いを凝らし、健康ということについて考え、これらの目に見えぬ小さき物が喜ぶ暮らしということに心馳せることが大切だろう。
食、薬剤、運動、呼吸は、細胞を元気にするためという考え方が必要だ。
味覚、噛む感覚などが鈍った結果、腸内感覚、細胞の感覚を感じる力が劣化し、目、脳が欲する方向へと進みがちになってしまった。
結果、微生物を含む全体で一つ、繋がり、連鎖、循環の中で暮らしているのだが、目に見えぬ世界故、自分たちの都合でその連鎖を断ち切ってしまう。
この連鎖の破綻が、回りに回って私たちに返ってきたときに病におちいる。
これは、生命のつながりを第一に考え暗し続けてきた結果、古人の経験の積み重ねの結果、つたえ残された道に反する行為でもあった。
目先の便利、快適におぼれた結果の自然のしっぺ返しだ。
急激な変化は、最初は小さくても、拡大連鎖し、大きな反動・反力となって還ってくる。
操作可能の自然、自然を征服・管理しようとした結果だ。
こののような結果を真摯に受け取り、部分最適・対症療法に走ることなく、今一度、微生物、細胞、腸の声に耳を傾けよう。
FB:2017.12/22
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