「ひまなか(中野裕司)」の感じ、考えたこと・・・・・・・・・。                                  ML・FBなどの投稿を掲載します。

ナショナル ジオグラフィックに「手先が不器用になる子どもたち、『驚くべき異変』を専門家が危惧 ファスナーを上げられない、ページをめくれない…親にできることとは」との記事がありました。


・ パンデミックの1年目(2020年3~12月)に生まれた250人以上の赤ちゃんを対象にした米国での研究によると、生後6カ月での微細運動テストでは、パンデミック中に生まれた赤ちゃんは、それ以前に生まれた赤ちゃんよりも点数が低かった。
・スマートフォンやタブレット端末、電子書籍、テレビなどの画面を見ている時間は、子どもが何かを作ったり組み立てたり、絵を描いたりする時間を削る。
そうした端末を使った算数の学習やデジタルアートの作成は、教育効果はあるが、書く、切る、色を塗るといった動作に伴う細かな運動能力を育てることはできない。
との記載がありました。

すなわち、
「動物の本質である身体を動かすことが少なくなっている。
人間の本質は、立ち、手を動かすということであり、身体を動かすことが少なくなっているため、人としての動作も劣化してしまった。
細かな動作ができないということは、その動作によって培われる細やかな感情もまた育てることができなくなっている。
荒っぽい動作、粗野な感情むき出しの世界となる方向へと進んでいる。」
それすなわち、退化。
ということを示しているのです。
人類・人としての危機的な状態に至っているといえましょう。
・・・
人類学では、
「人の脳は7万年前から縮小傾向となっているとしており、この2万年間で人間の脳が1500~1350ccに縮小したとされています。
縮小は、神経繊維の塊である白質ではなく、言語や文化、文字など、人間に特有の複雑な行動や能力をつかさどる灰白質が減少し、野生だった祖先よりも脳が10~15%ほど小さくなっている。」
としています。

脳容積が縮小した原因はわからず、様々な仮説が述べられています。
・最小のエネルギーで最大の知性を得る」ように進化した結果
・社会的動物・家畜化したため
・温暖期に入ったため暖かい気候に適応するために、体が小さくなり、同時に頭がい骨と脳が縮小した
・女性の骨盤が縮小していったため、頭がい骨も小さくなり、脳の容積も縮小した
・単に人間が怠惰になり、知能が低下したから
などなど

「最小のエネルギーで最大の知性を得る」という方向への進化ならば目出度いのですが、残念ながら知識は増えても知性が向上しているとは思えません。
他の仮説の示すところを大きくまとめると、身体を動かさなくなったことに対する適応・進化の結果となろうかと思われます。
身体を使わなくなったための退化といえるのです。

生物・動物に共通する仕組みとして「廃動萎縮」ということがあります。
エネルギーの効率的な配分を行うため、使わないところは萎縮させ、よく使うところを肥大させるというものです。
筋肉は廃動萎縮が顕著ですが、脳も又同様です。

脳を肥大化させる方向に進化した人は、生理的未熟児の状態で子を産み、体外子宮とも言うべき環境、母子密実一体の状態で自分で動くことのできる状態、すなわち動物の出産レベルの運動能力が発達するまで面倒を見るという方向に進化したのです。
脳を肥大化させた代償が、未熟児を一人前の子にするという手間、長時間の育児なのです。
しかし現代社会は、この手間を惜しむ方向へと進めてしまったため、退化の一途を辿っているといってよいのです。

出産後に脳は肥大化してゆき、神経細胞同士のつながり(シナプス)は1~3歳くらいまで過剰に作られ、その後、必要なつながりだけが残されていくのです。
ほぼ1歳で最大になるとも言われています。
神経細胞の繋がりを造り出している最中ですから、自我などというものを持つことはできません。
無意識の自己保全の本能によって生きている、本来ならば、未だ子宮の中で生長している時期といえます。

私はシナプスの繋がりが造られて行くこの時期・体外子宮の時期を、無意識の時期として示し、古人は三つ子の魂とし、この時期の母子密実一体を基礎とする子を取り巻く環境が大切なことを訴えてきたのです。

なぜならば、赤ちゃんは身体・五感をとおして感じた快・不快などの情報、なめ回し、触りまくった皮膚感覚によって脳神経の繋がりを密に、太くして行く時だからなのです。

感じ取った情報、身体を動かしフィードバックした情報により神経回路が形成されて行くのです。

それを、古人は「三つ子の魂百まで」と称したのです。

脳の基礎が形づくられるのですから文字通り「魂の時期」です。

脳科学の世界が、やっと古人の示したことを理解し、説明できるようになったのです。

そして、3~7歳の脳では過剰なシナプスの刈り込みが行われ、神経回路が整備され効率的な処理が行えるようになっていきます。

三つ子の魂の時期に形成された神経回路を中心に、自然の中で遊び回り、感じ、身体を動かすことで、更に強く強固な神経回路へと育てて行くのです。

そして、使わない神経、余分な神経が刈り込まれ失われて行くのです。

身体を動かし、感じることで、外界と脳の配線が照合され、外界との繋がりが確実にされて行くのです。

これで、野生の身体と脳の基礎を完成させることができるのです。

逆にいうならば、野生の身心を完成させるための育児を行わなければならないのです。

その後、6歳6ヵ月の稽古始めから、これまで培ってきた身心をもとに、文化・知恵・知識を植え付け、また、自得して行く時期となるのです。

すなわち、野生の身心を獲得した上に、文化遺伝子(ニーム)という側面を受け持つ父親・男の出番となるのです。

これが進化に即した育児、個体発生は系統発生を繰り返すという原則に則した育児なのです。

他の動物と異なり、人の場合は個体発生、子宮内での進化をなぞり育って行くという歴史は、出産後も続き、三つ子の魂の時期、6歳6ヵ月まで続くのです。

・・・

数日前、人類の脳は縮小しているとの一文を入れた投稿をしました。

すると、脳の容積は増えている、縮小ということについては何のエビデンスもないという指摘・コメントが医療者から寄せられました。

私は数万年の変化という人類学的な見地を述べたのですが、数10年という現代医学のデータを示してのご指摘、反論です。

当然ながら、時間のスパンの異なる比較不能のデータですから意味をなしません。

私はこのデータからは、長いスパンでは縮小傾向にある脳が、なぜ現代になって増加しているのかという疑問が出てきます。

野生の時代に比較するならば身体能力は劣る一方であり、しかも、受け身の情報にさらされるだけで、脳容量が大きくなるという原因・理由は考えにくいのです。

整体的な見地から見るならば、脳が疲れると頭蓋骨が弛み、頭が大きくなるという傾向があります。

すなわち私には、現代の脳容積の肥大は、脳の極度の疲労、身体を引き締めて使うことができなくなってしまった身体の病理が反映されているように感じられるのです。

大きなトレンドからのズレがあった場合は、その原因を究明するのが医学の役割の一つと思うのですが、いかがでしょうか?

私がなにを語らんとしいてるのかという文脈・大意について触れることなく、短期間のデータを示し、全体を否定するイメージを惹起させるものとなっていると感じました。
自分の頭でキチッと考え、判断をしてほしいものです。

私は、述べんとすることの一つの傍証として脳容積の縮小という問題を示したのであって、脳容積が拡大しようが縮小しようが、大意は変わりません。
私が述べていることそのものが誤りならば、もっと俯瞰的なコメントが欲しいと感じましたが、世界観のことなるものの平行線の応酬を避けるために、あえて反論は行いませんでした。
しかし、放置しておくことも意に沿わないため、整理し述べてみました。
・・・

・「手先が不器用になる子どもたち、『驚くべき異変』を専門家が危惧 ファスナーを上げられない、ページをめくれない…親にできることとは」

・ヒトの脳は7万年前から縮小しつつある

・❸ 子どもの頭の中では何が起こってる? <幼児期に効く! 脳コラム5選>

・3歳までにやっておきたい「育脳」! 脳の発達には、基礎となる”生活”が大事

令和7年4月9日 FBに投稿

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