「ひまなか(中野裕司)」の感じ、考えたこと・・・・・・・・・。                                  ML・FBなどの投稿を掲載します。

「震災廃棄物の活用・塩害など」カテゴリーのアーカイブ

「都市環境へ適合した生態系造成のための気候変化対応に関する研究」国際セミナー

「都市環境へ適合した生態系造成のための気候変化対応に関する研究」国際セミナー

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日時:平成25年3月06日(火) 14:00~18:00

場所:ソウル(韓国) SNU Hoam Faculty House,Convention Center 1F,Water lily

セミナー内容:

  ・中野裕司(エコサイクル総合研究所/中野緑化工技術研究所)
    都市生態系造成のための植物生育基盤造成の取り組み

  ・中村富男(ワークソリューションNOW) 
    有機資源の循環による都市生態系復元技術

  ・前田正明(屋上緑化マネジメントサービス)
     都市の中に残された空間 駐車場緑化・多機能型防災駐車場

  ・李東根(ソウル大学教授)
    都市土壌の生態系復元・Gold  Network 

  ・討議
    座長:壇国大 Kim Young-ja
          

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・開催趣旨

都市生態系の再生・復元というと、地上部とそれを取り巻く環境要因に関した議論が行われてきた。
今回の国際セミナーは、もう一歩突っ込んで、植物の地上部を支える地下・根系・土壌微生物をも含む土壌環境の復元・再生を図ることをテーマとして実施した。
都市生態系の基盤となる土壌環境を整備することにより、ヒートアイランドの緩和・都市洪水などに対応可能な生態系の造成が可能となるものと考えるからである。
合わせて、東日本大震災の津波被害などの反省より、都市緑化としては未利用空間としてのこされている立体駐車場を緑化空間、及び避難所として活用する検討研究についての情報を示した。
都市生態系の造成は、土壌に根系を伸長させ生育する樹木・樹林が健全に生育できる土壌をも含む環境造成であるとともに、建築物壁面・屋上、あるいは、立体駐車場などを有機的・立体的にネットワークすることが必要であり、よりより緑地造成が気候変動による都市災害の減災につながるものと考えるからである。

・中野の講演内容

土壌は、陸上植物の生存を支えるため「海」の機能を陸上に持ち上げたものであり、そのような観点からの土壌・生育基盤整備を行う必要がある。
また、土壌というと、農地土壌の考え方の影響が大きく、均一な土層を想定することが多い。しかし、自然界の土壌の多くは、岩盤の上に薄層の土壌が存在、石礫地など不均一で僅かな土層の中で植物・樹木は生存している。このような土壌をモデルとした土壌づくりが都市部でも必要。
近頃では、耐圧基盤・ストラクチャルソイルミックス(SSM)等という概念が出てきたが、法面緑化の世界では30年ほど前からアスファルト破砕物を有機質系資材と混合し植物生育基盤を造成する技術(ミライクル緑化工法)が開発・実施され、地温が上昇するなどのデータがあり、良好な成績を示している。
この技術は、高温多雨な地域に人為的に乾燥型の生態系を造り出し草花を咲き誇らせるグラベル緑花工法、これを応用した都市屋上緑化技術「GreenField無灌水屋上緑化システム」、さらには、耐圧基盤として街路樹学校校庭緑化、緑の舗装などとして用いられている。
また、近頃では、このような技術を用いて、東日本大震災の津波被災跡に、築土(石)樹木根系補強土により築堤を行い、海岸防災林・緑の防潮堤を造るよう提案をしている。
都市部では、人・車の通行による踏み固め・踏圧と植物の生育を両立させなければならず、耐圧基盤を用いる事が有利である。
耐圧基盤は、骨材のかみ合わせにより荷重を支え、かみ合わせの間の隙間に植物根系を誘導するものであり、根系発達が良好となることが確認されている。
このような技術を活用し、植物根系の発達を促すことにより、より健全な地上部が形成され、多様な生物が生息する緑空間・都市空間が形成されるものと考える。
また、健全な樹木が生育することにより都市生態系が形成され、あわせてヒートアイランドなど都市環境の緩和が可能となる。
また、耐圧基盤はポーラスで空隙が多いため、降水は速やかに耐圧基盤中に浸透・貯留されるため、ゲリラ降雨・異常発達した台風などによる都市洪水の抑制・地下水涵養に対しても効果的である。

・中村富男氏の講演内容

都市緑地で発生する整枝剪定屑・刈草などは、堆肥化して都市土壌・植栽基盤に還元することが必要。
これによって、土壌微生物の生態系のバランスが取れ、かつ、都市有機性廃棄物の減少を行うことができるようになる。
また、都市部水域は富栄養化しており、水草・藻が異常発生している。
これを放置しておくならば、繁茂した藻などが枯死し、分解・腐敗し水底にヘドロとして堆積し、水質をさらに悪化させる元となる。
このような水草・藻などは、水分が多いため堆肥化は困難であるが、適正な技術を用いるならば堆肥化可能である。
堆肥化させた上、都市生態系を豊にするために土壌還元してあげることが望ましい。
これにより、土壌環境をも含めた健全な都市生態系が機能する。
しかし、現在の堆肥化技術は、都市衛生工学の延長線上にある、好気性菌を主とした分解・減量化の技術であり、アンモニア臭など臭気をともなうものが多く、良質な堆肥とは言いがたいものがある。
土壌還元する堆肥は、農業分野で培われて来た本来の堆肥化技術を用いる事が大切であり、好気性菌と嫌気性菌が共々働き有機物を分解し、植物に取って有効な成分を合成する発酵堆肥とすることが必要である。
堆肥化に必要な発酵菌は、土着菌を用いる事が好ましく、土着菌を培養して堆肥を行った中国・フィリッピンなどの事例を紹介した。
発酵堆肥は、悪臭を発生させること無く堆肥を造ることができ、植物の生育に対し有効な成分を含むものであり、発酵堆肥を都市植栽基盤に還元することにより、良好な都市生態系を再生することができる。

・前田正明氏の講演内容

都市緑化機構の都市緑化共同研究会・特殊緑化共同研究会において検討がなされている「駐車場緑化」について報告を行った。
高密度で利用されている都市空間の中で、緑化可能な空間として駐車場のスペースが注目されてるいる。
なかでも立体駐車場は未利用空間として残されており、快適なまちづくりのため積極的に取り組むべき場所と考えている。
立体駐車場は、緑化空間として用いるのみならず、津波被災などの場合、駐車場空間を避難地・仮設住宅設置空間としても活用可能であり、普段から壁面緑化・屋上緑化などを行い、快適な空間としておくことが、いざという時に役に立つ。
今後の立体駐車場は、多機能型防災駐車場としての活用が望ましい。
都市生態系の回復と、都市立体駐車場などの未利用空間を緑地として有機的・立体的に組み合わせることにより、より良い防災都市が形成できるものと考えられる。

以上

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津波被災地 1年後の状況確認調査 震災瓦礫処理・緑の防潮堤など

昨年4月に、震災復興支援、及び被災地の自然回復についての状況確認のため、
自然環境復元協会有志による現地調査を実施した。
⇒ H240422気仙沼視察

私が参加した目的は、津波によって流された海岸林の跡地に震災瓦礫の集積が始まっており、
震災瓦礫が片づかないと海岸林の復旧に取りかかることができないという話が伝わってきた
ため、震災瓦礫を活用した築堤を行い、海岸防災林を再生できないか確認するためであった。
震災瓦礫を撤去することなく、その場で活用できるならば、一挙両得と考えたからだ。

三陸筋の海岸・谷を埋めるという処理方法は避けるべきだが、かといって、他所に震災瓦礫
を運搬し処理するのも経済性・環境面で問題が大きいため、他所に持ち出すことなく、発生
したその場での活用法を探ることが必要と思ったからである。

瓦礫・廃棄物と考えると処理は困難となるか、生産生を持つ土壌として現地に還元できるなら
ば話は別である。このため、震災瓦礫の土壌資源化を図ることができないかの確認を行った。
結果、震災廃棄物の土壌資源化は可能と判断し、築土(石)根系補強土による築堤を行い海岸
防災林、緑の防潮堤を造ろうという提案を、機会をとらえて発信してきた。

これは、コンクリートなど無機質震災瓦礫を石とみたて、石礫混じりの築堤を行い、津波に
よる流木、倒壊家屋などの木材(有機物)は堆肥化させ土壌に混合し、あるいは、生のまま
チップ化しマルチング材として用い、その上に樹木・草本類を生育させ、植物の根系の緊縛
力・杭効果により、築堤の浸食防止と補強を行うというものである。

同様の提案を横浜国大名誉教授宮脇氏が行い、環境省、野田首相が震災廃棄物を活用した防
潮堤を造るとの発言がなされたことより、方向性が定まったと思いきや、現地から津波被災
を免れ生き残った海岸林を伐採し、コンクリート製の防潮堤造りが始まっているとの情報が
よせられたため、今一現地の状況の確認を行わなくてはならないと調査、確認に出かけた。
時間の関係で仙台平野の状況の確認はできなかったが、気仙沼~宮古に掛けての状況確認を
行うことができた。⇒ レポートH240422気仙沼視察

その結果、海岸部では次の状況が確認できた。

・海岸部では

1.津波により浸食された海岸には自然回復が始まっている。
2.しかし、残された海岸林を伐採し、大型土嚢による仮設防潮堤が建設されている。
3.仮設防潮堤の位置が不適切と考えられ、陸域と海岸の移行帯が寸断されている。 

津波により、自然海岸が取り戻されたといえ、この自然海岸を保全するよう防潮堤の
必要性、位置、構造などについての協議が早急に必要である。
一方で高台移転による復興を進めつつ、一方では今回の様な津波被災を防ぐという前提
での復旧が計画・実施されようとしている。
縦割り行政の弊害といえる事態が発生している。

高台移転が前提ならば、港湾施設など重要部の周辺のみの対策で足りるはずであり、全域
防潮堤とする必要性はない。
地域の復興という全体・総合的な観点・計画の中で、防潮堤の築造など部分を煮詰めるこ
とが重要である。

・震災瓦礫については

4.瓦礫の集積が進み、片づいて来ている。
5.その一方で、最終的な処理方法が定まっていない。
6.築土(石)根系補強による緑の防潮堤・海岸防災林(多目的防災林)の造成が望まれる。
  今回は、以前木材堆肥化物を今後したコンクリート殻により法面補強を行い、ケヤキ
  を植栽した場所について、堀取り調査をおこなった。
  法面が崩れないよう締め固めたたため隙間が潰され密実になっており、根系発達はす
  こぶる良好という状態ではないが、コンクリート瓦礫の間の隙間へ根系侵入している
  ことは確認できた。  

先にも記したように、震災瓦礫は他所へ持ち出すのではなく、現地で活用することを大前
提とすべきである。現地で活用すべく、あらゆる知恵を絞ることが重要と考える。
東京都は廃棄物の海面埋立をやっていた。無機・有機を問わず分別することなく埋立を
行い、覆土し港湾施設・公園を作った。夢の島・お台場(13号埋め立て地)などである。
その港湾部が現在は、東京臨海副都心となり、大勢の人が訪れる場となっている。
このような前例を参考とするならば、震災で裸地になった一角をコンクリートなど無機
性の震災瓦礫で盛土し、木材など有機性廃棄物は堆肥化し、土砂と混合し土壌資源化
するならば、新たな街づくりが可能となる。
他所へ持ち出すことなく、緑の防潮堤、街づくりの基盤材など、瓦礫・廃棄物ちという
イメージを払拭し、自ら処理・活用するための知恵を出すことが重要と考える。

・津波により立ち枯れとなった樹木の処理

7.津波被災により枯死した樹木の伐採が始まっていた。
8.過剰な伐採と思われる箇所があった。

活用されて以内ならば、震災廃棄物の増大に繋がるとともに、斜面の場合、次第に樹木
の腐朽により根系緊縛力が失われ、表層崩壊を起こす可能性もある。
廃棄物処理、法面安定など総合的な観点から整理しつつ、進めて行く必要がある。

以上

築土(石)構造+樹木根系補強土 2 + 浦安液状化 SH型による貫入試験

築土(石)樹木根系補強土 1 提案書に対する質問

築土(石)樹木根系補強土提案書

「東日本大震災津波被害地に対する築土(石)根系補強築堤に関する提案書」は実に興味深く読みました。ただP10の下から6行目の「切土残土を住宅地などに転用することは避け、・・・の築造に使用することが望ましい。」 この理由が分りません。

地震による地盤液状化に弱いマサ土であっても地下水位の低い高地であれば転用可能だと思います。

嚆矢はコンクリート防潮堤に替えて軟弱地盤に追随可能な築堤の提案で100年以上の耐久性を担保しようたした点にあると思います。元寇の時の防塁跡はいまも博多湾に残っています。

いたずらに開閉式防潮堤しか浮かばなかった私ですが、築堤できない湾の開口部を津波の時どう防ぐのかは残った課題です。諫早湾のギロチンも100年持ちはしないでしょうし・・。

樹木治療研究会 代表
一般社団法人 日本樹木医会
福岡市南区花畑3-38-8
大神邦昭 090-3605-0743

返答

津波による海岸防災林の再生への取り組み、林野庁の委員会のとりまとめが出ました。

私が事務局をおおせつかっているNPO法人日本緑化工協会の緑化工技術講習会では、検討会座長の大田先生にお出ましいただき、検討結果について報告いただきました。

東日本大震災に係る海岸防災林の再生に関する検討会
http://www.rinya.maff.go.jp/j/tisan/tisan/kentou.html

土手の高さ、震災瓦礫の利用など、あまり進展は認められません。
抜本的な方向を示してほしかったと思います。

コンクリート構造物は、ここ50年の取り組み、歴史の重みという面での検証は不十分です。本来の土木構造物は土と石と木材です。歴史の検証を十分に受けておりますが、均一な品質の確保という点で、マイナーな評価を受けております。

しかし、災害という長期のスパンの事柄については、歴史の重みに耐え残った伝統的な手法が有効と思います。また、作業・メンテなどを勘案するならば、経済性の点でも優れているものと思います。
土木技術の蓄積は、ここ50年余り、均一性という尺度のみならず、歴史の重みという観点から、技術を見直さなければならないものと感じております。

むろん、コンクリートを否定するものではありません。
港湾施設などコンクリート構造物により、がっちり守りつつ老朽化したならば手を入れるという剛的な手法を用いるべき場所、海岸林と防潮堤の機能を併せ持つ、築土(石)根系補強土、柔構造による自然回復型の長期間維持可能な箇所、なにも設けることなく、自然海岸を残す場所とゾーニングし、メリハリを作ってほしいものです。

三陸筋は今後しばらくは津波被害が来ないものと考えられますが、モデル的に構築し、仕様をつくり、東海・東南海地震にそなえ、西日本の長い海岸線にたいする備えの参考に供すことがよいのではないかという提案でした。

海岸防災林・防潮、今後は、自治体レベルの話になってゆきますから、どこかでモデル的に手がけていただきたいものと願っています。

・・・・・・・・

マサ盛土の液状化については、緑化工学会都市緑化研究部会による、浦安の液状化調査での知見を基にした発言です。

緑化工学会都市緑化研究部会における浦安地盤液状化と公園・緑地に関するシンポでの私の担当分のレジメを掲載します。H231013浦安シンポレジメ(中野)

浦安の埋立地は、海の高さよりも高く盛り立てているわけですが、浚渫盛土を抑えるため海側に堤防をこしらえております。
これにより、雨水などが埋め立て地盤のなかに滞留し、地下水位が高い状態となっておりました。ガスの復旧のための掘削箇所を見ますと30cm程度に湿潤線が認められます。
SH型を用いて貫入試験を行いましたが、1.5m程度以下はNd5以下、グズグスの状態でした。

SH型貫入試験については、下記HPをご覧ください。
表土層調査技術研究会
http://www.hyoudoken.jp/

また、一般に地下水位の高い箇所に盛土すると、水分供給かなされ、毛管水によるものか、湿潤線が高くなることも観察されております。

三陸筋では、津波による被災を受けない高さまで盛土するということですから、盛土高さは15~20m程度と推定されます。三陸筋はマサが多いため、浦安と同じような状態となるのではないだろうかと推測したわけです。

どのような土留め構造とするのかは不明ですが、盛土する箇所は低地・海岸部でしょうから地下水位は高く、かつ、雨水が貯留しやすい状態となり、液状化が発生しやすい地盤条件となるのではないかと考えたわけです。

中越沖地震の際、能登自動車道の盛土の崩れが多発し問題となりましたが、ボーリング結果では、多くの盛土のN値は5程度でした。盛土当初は適正に管理が行われたとしても、長期間のうちには雨水が滞留してしまいます。

SH型によるNd値は、ほぼN値と同値です。浦安の地盤は、1.5m以下はNd5以下であり、地震後も軟弱地盤のままでした。また、このことは、浅層の部分も液状化し、墳砂が発生したものと考えられました。

浦安の調査結果をめぐるシンポジウムでは、今後の減災をはかるため、高い地下水位を下げる方法についての討議がなされましたが、面積が大きく、海に近く勾配を取れないことなどから、その対策の決め手は見出すことができませんでした。

このシンポについては、近々発刊される緑化工学会誌に掲載されます。
興味のおありの方は、ご覧ください。

以上

築土(石)根系補強土の提案 海岸防災林・防潮堤の築堤

TDMのみなさん。
「ひまなか」こと中野です。

必要土量の話から、樹木根系と岩盤、適地適木まで話が拡散してきました。

これらについては、みなさまの経験から、大いに語っていただきたい問題です。
もう一つ、土壌改良の宿題も残っていました。
いずれも、樹木医として重要な課題と思います。

マニュアル・仕様書思考から、現場発想への変換、自然から学べということなのでしょう。
皆さんが現場で見たもの、感じたことをお知らせいだけると助かります。

拡散ついでに、さらに話を拡散させてしまいます。

東日本大震災の海岸防災林の状況についての報告ありがとうございます。

津波被災地をみてまわったところ、海岸林が空き地となり、そこに震災瓦礫の集積が始まっており、その瓦礫のを撤去しないと海岸防災林の再生はできないの声が聞こえてきました。そこで、震災瓦礫を土壌資源として活用する方法(エコサイクル)を提案しました。

林野庁、国土交通省サイドに提案しましたが、同様に考える方が多数いたようで、震災瓦礫を築堤に埋めるという(案)が出てきました。

東日本大震災に係る海岸防災林の再生に関する検討会 など
http://www.rinya.maff.go.jp/j/tisan/tisan/kentou.html

しかし、ただ深いところに埋めるというのでは、ゴミを目に見えないところへ隠してしまえ、というこれまでと同じゴミ処理の発想のため、コンクリート、アスファルト瓦礫を積み上げ、その隙間を岩盤の割れ目に見立て、その割れ目沿いに樹木根系を深く侵入させ、震災瓦礫と樹木根系による複合補強築堤造る事を提案しました。
正木さんのおっしゃる、流れ盤的なクラックの沢山ある様相の地盤を造ってしまえ、という訳です。
今風に言うならばストラクチャル・ソイル・ミックス(SSM)ですね。

それにより、海岸側には塩水のエコトーン、陸側には淡水エコトーンを造ると生物多様性も生まれる。
海側は、痩せた土壌としマツを、築堤背面風裏には木質系の震災廃棄物を堆肥化し混ぜ込み少し肥えた土壌としカシワ、コナラなど落葉広葉樹、中低木を配しましよう。また、松島では多島海により津波が分散され、互いに打ち消し合い被害が少なかったのにヒントを得て、平野部では多島海状の築堤構造とするなどの提案を行いました。れにより、景観的にも風情が生まれます。秋田県の象潟、九十九島のような景色です。
http://kakurezato.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-d386.html
こうするとおもしろいよね、やってみたいねと言う盛り沢山の提案です。

これについては、6月に仙台市で行われたフォーラム、及び9月に遠野市で行われたプレフォーラムにて話す機会を得ました。
また、(財)日本環境センター機関誌「生活と環境」誌に原稿が掲載されました。
H23.09.01生活と環境 海岸エコトーン

フォーラム 仙台湾 / 海岸エコトーンの復興を考える
― 浅海・砂浜・防潮堤・湿地・海岸林・農耕地を一体化する視座 ―
日時:2011年6月4日(土) 13:30~16:30 (開場: 13:00)
http://www.tohoku-gakuin.ac.jp/news/110531-1.shtml

三陸エコビジョン・プレフォーラム「海と人との持続可能な共存を求めて」
~三陸被災地の持続可能な自然と共存する復興を目指して~
日時:2011年9月6日 2011年9月4日(日):13時~17時30分
http://tonomagokoro.net/archives/6892

これまで、瓦礫を埋めてしまえなどと言おうものならば、自然保護団体系の方々から総攻撃に合うのが常でした。
今回は様相が異なりました。理想論をいえない状況、より現実的な対応が求められているのでしょう。

仙台でのフォーラムでは、他の話題提供者に対しするどい質問を投げかけていた市民の方がいらっしゃいました。
私の番になり、なにを言われるかなと待ち構えておりましたが、なにも質問が出ません。
やれやれと胸をなで下ろすやら、拍子抜けするやら・・・。
フォーラムが終わった後、尋ねてこられ私の話が一番おもしろかったと感想を述べてくれました。
これまでの同様の集会とは、大きく様変わりしたことを感じました。

このような動きが遠野でのフォーラムへとつながりました。
遠野で行ったフォーラムの話しに対し、地元自治体に働きかけたいという要望がありましたので、提案書の形で取纏直しし直しました。

これは、海岸防災林のみならず、防潮堤も同様の構造、すなわち、土(石)構造物+樹木根系緊縛による複合補強土とする(案)です。
H230924石土根系補強築堤提案(1)
土木屋として考えると、コンクリートによる防潮堤を作り直すと土建屋が潤います。現実は、その方向へと進んでいます。
災害復旧予算は災害前と同じ状態に戻すことが前提、仕様書・マニュアルなどが整備されている。前例が沢山ある。が理由です。

しかし、50年、100年というロングスパンに対し、コンクリート構造物の耐久性を考えると持たないのでは無いでしょうか?
土木分野で永久構造物とは50年です。鉄筋コンクリートの場合は50年、ダムのようなマスコンクリートでも100年です。これは、コンクリートの中性化による劣化です。劣化を防ぐために様々なメンテナンスの方法が考えられていますが、限界があります。
100~200年スパンで考えると、造っては壊し、造っては壊しの繰り返しです。その間に、維持管理補修を行わなければなりません。
少子高齢化で社会構造が変化しております。これまでのような税収が期待できません。
政府は借金で身動きがとれません。

地獄の賽の河原の石積みと同じ様相が思い浮かびました。
賽の河原で、子供たちが石を積みますが、積み上げたと思ったら鬼が来て壊します。
その繰り返し、無間地獄です。

子孫にそのような負の遺産を残すよりも、ありきたりの土(石)構造の方が耐久性の面では実績があります。
歴史的構造物と呼ばれるものは、土(石)構造物です。
まして、樹木根系により緊縛し補強するならば、永久的に持つのではないでしょうか?
むろん、健全な樹木を維持するための維持管理を行う必要はあります。

欲を言わせてもらうならば、このような土構造物が築かれることにより樹木医の出番が増えます。
巨樹老木、天然記念物、街路樹と市場を拡大してきましたが、新たな市場確保のためにも、このようなことを考え提案してゆくことが必要でしよう。

このような考え方は、今後予想される東海、東南海地震のための備えとしても重要です。

子々孫々に負の遺産を残さない、景色がよくなり、今流行の生物多様性もアップする、樹木医の職分も増える、良いことだらけの仕組みを作りたいものです。

ご覧の上、ご批判いただけると幸甚です。

以上 (お前、こんなことを書いている暇があったら依頼した仕事をやってしまえとの声が聞こえてきそうです)

津波被災地の塩害対策・馴養堆肥化

2011/4/27(水) 16:01

塩害・油分に対する対策に関する質問に対する返答

塩類障害を抑える、油分の分解を促進する堆肥を造り対応するという手があります。
現地で堆肥化する際に、塩分・油分を含んだ資材を用いて、菌相を馴化させます。
馴養堆肥と称しています。 理屈は簡単ですが、実際に馴養堆肥を造るためには専門家の派遣が必要となります。
種菌を造るならば、そのコツを伝授することにより、増やしてゆくことができます。
堆肥造りのプロは自分流のやり方に染まっていますから、そのコツを実践することが困難かもしれません。
むしろ、地域の志の高い方にそのコツを伝授することで上手く機能するようになるものと思います。
現地の要望があるならば、段取りすることができます。

・震災で発生した木質系廃棄物を炭化し処理する方法が採れないかという質問に対する返答
⇒炭化ではなく、現地で分別・破砕・チップ化しねマルチとして敷き均し、粉塵防止・悪臭分解として用いることを提案

炭化では大面積のカバーはできません。
分別した木材をタブグライダーなどの大型破砕機を用いてチップ化し、発酵助剤を混合し敷き均してゆく、マルチとして使用ということが現実的です。 むろん、炭を加えるならばよりよいものになります。
敷き均した木質マルチは、1~2年で分解し土壌化してしまいます。 すなわち、自然消滅です。

問題は、建築木材に含まれる重金属を含む防腐剤です。 重金属の問題を避けるために、建築廃材を炭化するにあたっては、基礎に近い防腐処理を行った部分を切断し、重金属を含む部分は別途処理するなど面倒くさいことをやっているということが現実です。

このような煩雑な作業をさけるために、建築廃材はバイオマス利用と称して、バイオマス発電に持ち込み燃やしてしまいます。 環境に優しい、エネルギー危機・地球温暖化対策といううたい文句・美辞麗句の元、もっとも手離れの良い、利益をあげられる仕組みが構築され、木質系廃棄物の多様な利用は妨げられてゆきます。

被災家屋については、基礎に近い部分と異なる部分を切り分けるなど手間のかかることをやることは不可能でしょうから、重金属は総量としカウントし、重金属の濃度は全体として希釈され問題ないとして進めることも一法です。しかし、行政サイドは問題発生の可能性のあるものについては極力回避しようとするため、そのような方法を採用することは困難でしよう。手間暇をかけ、分別しなければなりません。

古畳の堆肥化利用について、農水省から古畳には薬剤(防腐剤など)が用いられているから、農業で利用する際にはその点について確認し、薬品が含まれるものは利用してはならない、という趣旨の通達が出されました。 農業、人の口に入る作物に用いるための規制ですが、農業以外の用途にも拡大解釈されてゆきます。 古畳は、大切な有機物・資源と考えるのですが、大半が焼却処分されるようになりました。

このように、生活全般が通達などによる規制、および、問題回避のための自己規制の誘導が相まって、何もできない状態となっています。 行政の多くの仕組みが、このような構造となっておりますので、適度な配慮ではなく、極々安全・安心、行き過ぎた・過敏な配慮がなされるようになってしまい、ひ弱な高コスト社会が形成されてしまいました。

そのさえたるものは医療の世界ですが、制度すべてに蔓延しております。 便利、効率的、安全・安心のためというお節介による脅し文句に屈し、飼い慣らされ、自然から乖離した生活が強要されていることに気がつかなければなりません。現在の精度は、 自分の足で立とうという気概を失わせるためのもの、そのような前提で教育がなされているとしか思えません。 自然環境の復元とは、人にとっての(良い意味での)野生性の復元・復活だと考えるのですが、残念ながら、飼い慣らされた空間の中で、自然ごっこをやっているだけという、悲しい状態になっているものとも、辛口ですが感じています。

行政はいよいよ締め付けを厳しくし、新たな法律を造り、通達を流し、外郭団体を立ち上げ、焼け太りしてゆきます。 行政刷新、仕分けなどもパフォーマンスに終わってしまいました。 行政サイドに対する締め付けを厳しくすると、ますます仕組みを複雑とし、裏の仕組みが形成され、陰湿になって行きます。 正義の名の下に、高コスト社会、増税社会へと向かい邁進しております。 美辞麗句の後ろには嘘が仕込まれます。 誰もが反対できない環境問題、子供を人質にとられた教育問題がそのさえたるものです。地域社会に根ざした真にバランスのとれたリーダーが出現しないと、この構図は変えられません。 今回の被災は、その面でも重要と考えております。 地域社会が復権できるか否かが問われているものと思いますが、中央は締め付けを厳しくしてきております。

戦前は、各地に地主と称される人がおりました。 地主は悪と教育されてきましたが、そのような事実も一部ではあたかもしれませんが、地域社会の文化・教育・教養の要として機能してきました。 諸外国の地主とその地位・機能が全く異なるものでしたが、その点について問うことなくステレオタイプ的に悪としてしまいました。 私の田舎では、つい最近まで昔の小作が、盆暮れの挨拶に来ておりましたし、秋の収穫には米が届けられておりました。 地主制に問題が全くなかったとは言いませんが、地主・小作を含む地域共同体として良好に機能してきたのです。 このような地主を復活させる事はすでにできませんが、地域風土に適応した文化・教育・教養の要、リーダーが必要です。

環境教育とは、自然が大切、ビオトープはこのように造るんだよ、というものでは無く、地域環境・風土・文化を継承し発展させるための人材教育・全人教育こそが本旨と考えます。
このような立脚地点から、地域環境の町医者としての環境再生医のあり方を問い直すべき時が来ているように思われます。 また、被災地での対応には、地域の心あるリーダーとの結びつきを確保することが最重要課題です。

以上 またまた話が拡散してしまいました。